だから僕は、構造で補う。
頭の中にあるものは、言葉よりずっと次元が高い。
色、質感、構造、時間。脳の中にあるものを、言葉という一本の線に押し込めた瞬間、多くの次元が削ぎ落とされる。
伝えたいのに、伝わらない。
すべての起点は、この欠落にある。
混沌として見えるものも、分けていくと、変わるものと変わらないものがある。
変わらないものを見つけ出し、固定する。そこを土台に組み上げれば、何度でも同じ形を立ち上げられる。
僕が好きなのは、この作業だ。
勘ではなく、構造で決める。測れないとされてきたものも、仮説と検証を重ねて測りにいく。
歌、音、システム、データ。
13年のあいだに、出力する媒体は何度も変わった。
言葉で届かないなら、音で。
音で届いたものを、仕組みにして残す。
仕組みをつくることがAIで簡単になったいま、残すべきは、何をどう蓄え、どうつなぐか。
道具は変わっても、やっていることは一つ。
誰でも、すぐに、好きな表現ができる場をつくること。
言葉だけでは届かないものがある。
そのことを、言葉から知ってもらう。そのための補助輪をつくりたい。
「夕日、綺麗ですね」の一言で、同じ夕日を思い浮かべてもらえるように。
言葉になる前の心から、繋げる。
日本の文化を起点に、音というアプローチで、世界へ調和を広げていく。
簡単な方と困難な方があれば、困難な方を選ぶ。
不自由の中で、攻略する。
地球には、縛りプレイをしに来たのだと思っている。